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IKEAに見る北欧モダン住宅学〜多彩な色彩空間
2010.09.01 Wednesday
一言で北欧モダンというインテリアを語る事が出来ません。
私も北欧モダンな空間が好きなのですが、その要素が何なのか?
それを他のインテリアテーマのように明確に言い表す事が出来ないのです。
IKEAが2006年に日本に上陸してから大分月日が経ちました。
IKEAは今までの家具量販店と違い、商品を部屋に見立てた単位空間にディスプレイし販売するという手法をとっています。
北欧モダンの空間を体感するにはもってこいのディスプレイだと思うのですが、どうも最近は余り参考にならなくなってきたように思います。
上陸直後のIKEAのディスプレイは今と違いもっと洗練されていたように感じています。
それは恐らく、キチンと現地のデザイナーを入れ洗練した単位空間を作り出していたからだと思います。
最近は、新商品などの入れ替えの為、空間重視のディスプレイでなく、展示する物主体のレイアウトとなってしまって魅力的な空間が減ってしまったのかもしれません。
そんな、上陸直後の単位空間をキチンと写真に収めていればよかったのですが・・・
残念ながら撮影していなかったようなので、今回はそのオープン前に青山で展示されていたIKEAのお披露目用のディスプレイを少し紹介したいと思います。
どのディスプレイも、日本のアパートのようなシーリング照明(蛍光灯の天井付けの器具で一灯で部屋全体を明るくする目的の物)を使った単位空間はなく、弱い明かりを分散させて陰影をつけた空間となっています。
コレは屋外の展示だった為、フットライトや間接照明などまでは用いていませんでしたが、この照明使いが北欧モダン住宅のエッセンスのように思います。
夏は白夜で一日中明るい北欧。
一方、冬は暗い時間が多く、灯りの質にはこだわりが強いのだと思います。
収納も扉を設けずに見せる収納がポイントです。
家具の色とフローリングの色を合わせたレイアウト。
シンプルな色使いで比較的真似しやすい空間。
これは、私の思い描く北欧モダンとちょっとイメージが違いますが、シンプルな空間に挿し色を入れるているのを北欧のインテリアでよく見かけます。
でも、私のイメージではこういったビビットの色彩ではなく淡い色使いの色彩が挿し色に使われている空間のイメージなんですよね・・・
この壁のようなモスグリーンのやわらかい壁が北欧のイメージです。
ですが、ちょっとこの部屋はちょっとやりすぎですよかね?
北欧のキッズルームはとても賑やか。
色鮮やかなアイテムが部屋中に散らばっていて、そのカオスな感じもまた北欧デザインなのかもしれません。
(もちろん、ただ散らかっているのとは何か違うんですけどね)
しかし、中にはとっても違和感のあるモデル空間も。
蚊のいないだろう北欧に天蓋付きのベッドルーム。
うむ。。。
なんだか北欧のインテリアがわからなくなってきました(笑)
北欧のインテリアという枠組みも決して一つでなく、多様な文化が入り込み進化しているようですね。
という事で、IKEAのディスプレイを分析した所で余り明快な答えが得られませんでした・・・
やはり、北欧モダンの要は小物とテキスタイルや北欧家具といった洗練されたアイテムによるものだという事かもしれません。
もちろん、フローリングの材種や壁の色、造り付け収納などの要素によって北欧の空間を演出する事が出来ますが、IKEAの家具だけではちょっと物足りないのかな??
とはいえ、IKEAの家具も厳選すればかなりいものがあるのも確かです。
これらはIKEAのストックホルムシリーズの物。
北欧アンティーク調の可愛らしいデザインの家具です。
もっとこのシリーズのラインナップが増えると嬉しいのですが、IKEAの中では高価格帯の為あまり売れないのかな?
北欧モダンのインテリア。
空間の要となる家具を厳選し、トータルコーディネートする事。
やはりそれが重要なのかな?