この家は近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトの設計した建築家の自邸兼アトリエです。
私が、プレーリースタイルの家造りを行っている時に、デザインを参考にする為に視察に訪れた時のものです。
フランク・ロイド・ライトは日本でも有名な建築家で旧帝国ホテルの設計(ロビーは明治村に移築し現存)や池袋にある自由学園明日館の設計にも携わった方です。
日本での事例は他に神戸のヨドコウ迎賓館でも見る事が出来ます。
さて、オークパークにあるフランク・ロイド・ライトの自邸兼アトリエについて話を戻しましょう。
シカゴの中心部から1時間ほどの距離にあるオークパークという高級住宅街の中にライトの自邸はあります。
後日、別途ご紹介いたしますがこの町には数多くのライトの設計した建物があり、ライトの自邸はそれらの建物を見学する拠点ともなっています。
(見学用のツアーがあり、テープレコーダーを借りて外観を見学できる)
ブックショップ内でツアーの予約をし、ライトの自宅兼アトリエの見学が始まりました。
ツアー中は写真を撮ることが出来ないのでじっくり説明を聞きながら順々に見ていく事になります。
上の二枚の写真はライトのアトリエ部分(左側)と自宅部分(右側)の外観写真です。
屋根の形等が全く異なっていて同じ建物とは思えませんが、それはアトリエ部分は後から増築したためです。
アトリエ部分は六角形の形の吹き抜けのある構造になっていて、梁の掛け方などが大胆でとても特徴的でした。
アトリエ部分の入口にはライトがデザインした彫刻が施してあります。
コウノトリ?が図面を運んできたかのような模様が施してあります。
フランク・ロイド・ライトはこれらの住宅を20代の時に行ったというから驚きです。
今も尚、洗練された素晴らしいデザインで装飾的ですがあまりくどさを感じさせない軽快感があります。
内部はもっと素敵な空間があったのですが、写真でお見せする事が出来なく残念です。。。
外壁はアメリカでは良く見るベベルサイディングなのですが、ライトの内部空間のイメージとはあまりマッチしていない気がします。
若くして設計したこの家は、まだまだライトの実験的な段階で、後にプレーリースタイルとして確立する外観とは異なるのです。
とはいえ、龍の鱗のようなこの外壁も素敵なんですけどね。
日本の建築家とライトが明らかに違うのは、やはりその装飾性や造形美だと思います。
右の写真の彫刻もライトが造ったというのですから、とても多才だった事が伺えます。
やはり、建築家はこのように様々な方法で”美”を追求しなければならないのですね・・・
最後にオマケの写真。
いかにライトといえども全ての立面が美しいという訳ではありませんでした。
設備の配管やらエアコンの室外機など、この場は出来る限り見学者には見て欲しくないんだろうなって所。
こういう所を見ると、やはり日本の建築家のほうがキメ細かい仕事をしているんだなって思います。
でも、逆に気にしすぎな部分もあるのかな?
特にエアコンを外壁に似せて色を塗っているところが衝撃でした(笑)
→フランク・ロイド・ライトの自邸兼スタジオの公式HP
ライトの自邸の住所やツアーの詳細情報はこちらでご確認下さい。
↑フランク・ロイド・ライトの自邸兼アトリエの地図です。
「大きな地図で見る」をクリックして航空写真やストリートビューで外観を見ることが出来ます。(人マークをクリックしてもストリートビューになります)
ストリートビューモードでは他のユーザーさんが撮影した写真がクリップされているのでそちらも併せてご覧下さい。
また、オークパーク内の他のライトが設計した建物も見る事が出来るのでバーチャル体験しても面白いかもしれません。
私がプレーリースタイル住宅を設計する際に参考にさせていただいた書籍です。
]]>私が愛してやまない建築家「アルヴァ・アールト(アアルト)」の自宅兼アトリエを紹介させて戴きます。
写真は2005年に新婚旅行で北欧を訪れた際のもので、途中カメラを破損してしまった為、携帯のカメラでの撮影したものとなっています。
画像が若干不鮮明な所がありますが予めご了承下さい。
この家はフィンランドの首都ヘルシンキの中心部から約1.5kmほど北西にあります。
詳しい位置はアアルト財団のHPでご確認して戴きたいのですが、4番トラムに乗って終点「Lasi Palats(確か・・・)」で降りて数分歩くと到着します。
内部はツアーのみで見学可能で、現地の旅行会社で予約しようと思ったのですが、電話予約でも可能だったので直接伺う事にしました。
これから見学に行く予定の方は、ツアーは時間によって別けられているので下記にてご確認の上お出掛けください。(予約方法等が変わっているかもしれません)
→アアルトの自邸までの詳しい行き方。予約方法はアアルト財団のHPにてご確認下さい
外観は焦げ茶に塗られた木の部分と白いレンガ積みの外観が絶妙なバランスで構成されています。
道路側の入口から見える外観とはガラリと雰囲気が変わり、ちょっと田舎に佇む別荘のようにも見えます。
この白い部分はアアルトのアトリエだった部分。
レンガに漆喰を塗り、一部がはげかかっている感じがいいんですね。
アトリエ部分は吹き抜けになっており、自然光を取り入れる贅沢な空間。
太陽高度が低いフィンランドで充分に光を取り込むために窓を高いところに設けているのもポントです。
また、一つの空間内に様々な場が散りばめられており、アイデアを練る所、模型を造る所、製図をする場所といった感じで空間に変化があるのが見て取れます。
リビングにはアアルトがデザインしたペンダントライトBeehiveがぶら下がり印象的でした。
ゼブラ柄のリクライニングチェアはアルテック400。
そう間単にこのアームチェアはコーディネートできません(笑)
各部屋は緩く繋がっており、引き戸も多用されていました。
広すぎない空間が落ち着きます。
使っている素材はどれも素朴で、あまり高級感を感じませんが、いい雰囲気です。
キッチンはセミオープンでこのように引き戸を開けると配膳ができる様になっていました。
北欧の住宅には暖炉が欠かせません。
暖炉に火が灯っていなくても温かみを感じるのは、アアルトが素材をうまく組み合わせているからなのでしょう。
かっこいいとか、洗練されているという表現よりは、どこかあったかみの感じる落ち着く住まいなのです。
このような雰囲気の家は真似するのがとても難しく、写真でもうまく伝えられません。
やはり、現地に行って目で見ないとこの感覚は身につきません。
↑googleマップにてアアルトの自邸の位置を示しています。
「大きな地図で見る」をクリックして航空写真やストリートビューで外観を見ることが出来ます。(人マークをクリックしてもストリートビューになります)
ストリートビューモードでは他のユーザーさんが撮影した写真がクリップされているのでそちらも併せてご覧下さい。
ツアー時間前になると、観光客が数名この家の前に集まってきます。
前日に電話で名前だけを告げ予約したものの非常に不安な状況でしたが、開始時間直前に鍵を持ったアアルト財団の方が来て、その場で受け付けになりました。
目立った看板などもなく、ココでいいのかな?と不安になりながら待ちましたが、特に問題なく見学ができました。
飛び込みでも参加できるそうですが、団体客などと重なってしまうと難しいかもしれません。(2005年5月時点)
ご参考まで・・・
おまけで、お勧めのアルヴァ・アアルトの書籍を一冊ご紹介します。
齋藤 裕氏の美しい写真でアルヴァ・アアルトの建築物を紹介してます。
建築書の中でこの金額でこのボリュームであればお得だと思います。